本棚のアルバム
今週のお題「本棚の中身」 自分が考えていたよりも速い長さで日常に変わっていく。 1人で食べるご飯が、 1人で眠る夜が、 隣に座ることのない助手席が、 繋ぐことのできない華奢で大きな手が、 肌や髪の毛の匂いが、 減りが遅くりが遅くなったシャンプーが、 2人で見るはずだった今日公開の映画が、 春夏秋冬の思い出たちが、 超えるはずだった春の約束が、 仕事の休憩のたびに震える携帯電話が、 声が、 姿形が、 気持ちが。 歳を重ねるにつれて、どんなに想いが溢れても本棚のアルバム、瞳から涙が吹きこぼれることはなくなった。 僕たちの人生にハッピーエンドもバッドエンドもない。 ゲームオーバーのその先をどんな顔を…