ガラスの靴なんかいらない

ガラスの靴なんかいらない

小谷真理の『おこげノススメ――カルト的男性論』(青土社)を読んでの気付き。この本は、評論家の小谷がフェミニズムの視点で様々な映画や文学作品を読み解いた評論集である。その中の一章、『ShallWeダンス?』を代表とするダンスを主題とした作品群を取り上げ、ダンスと足の関係を論じた「四〇にしてマドンナ」の中で、小谷は足治療学ウィリアム・A・ロッシの著書『エロチックな足――足と靴の文化史』を引きながら、次のように述べている。そもそも足とは、肉体的現実を形づくりながら、その一方で歴史的文化的隠喩構造を日夜再構築させつづけている結節点である。ロッシの指摘するエロティックな器官としての足は、まず何よりも足こそ性的器官の代替物として考えられてきた足の歴史を浮かび上がらせた。しかも、しばしば精神分析学的発想から語られ、フロイト自...ガラスの靴なんかいらない